2018年11月01日

バッタを倒しにアフリカへ

『バッタを倒しにアフリカへ』 前野ウルド浩太郎

昆虫学者の筆者は大学院を出たが安定した職も無く、
常に不安に苛まれていたが一発逆転を狙おうと
言葉もわからないモーリタニアに出発する。

子どもの頃に、バッタの大群に襲われた女性が、
緑色の服を食べられたという記事を読んで以来、
自分も緑色の全身タイツでバッタの大群に躍り出て
バッタにむさぼり喰われたいという野心を胸に。

ところが入国時に賄賂を渡せなかったために荷物を没収されたり、
肝心のバッタがなぜか全然発生せず、
帰国日が迫り来たり金が無くなったり、と困難が次々と発生するも、
現地の人々の明るさいいかげんさ、本人の天文的?な明るさと
バッタが大好きというその一念で困難を克服していく様は
文章も上手くまさに抱腹絶倒。

アフリカで大発生して農作物を食い荒らすサバクトビバッタの
生態研究、駆除技術の開発に従事する。
熱心な活動は現地の上司に認められ、モーリタニアの高貴な
ミドルネームである『ウルド』を与えられる。

私は虫は苦手というより嫌いだがとっても面白かった。
理系の研究者はなぜか文章の上手い人が多い。
ひねくり回さず素直でかつ専門的な知識とあまり世間ずれしてないから?
かどうかはわからないけど純真無垢?な青年の一発逆転物語ということで
安心して楽しめます。

これを読んでモーリタニアがアフリカのどこにあるか、
日本のタコはほとんどモーリタニアから輸入されている、
ということを知った次第です。



posted by えるか at 17:53| 芸術 文芸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月28日

ひとり 瀬戸内寂聴 句集

『Eテレ NHK俳句 瀬戸内寂聴の俳句と人生』(再放送)
は素晴らしい番組だった。
95才にして初めての句集を自費出版していきなりの
星野立子賞受賞。さすが寂聴さん、只者ではない。
句会は33年前から開かれていたようだ。

番組でのインタビュー。
「このところ入退院を繰り返し、句集を出す前ちょっとウツだった。
 自分で自分を励ますために句集を出した。
 一番好きな事は小説を書くことだけど、もうそんな体力は無い。
 でも俳句なら息をひきとるまで書ける。
 出そうと思ったら元気になった」

番組では何句かが紹介されたが、どれも寂聴さんにしか詠めない句で
心を射抜かれるようだった。
どの句もすばらしいけれど私の胸に一番突き刺さったのは

『子を捨てしわれに母の日喪のごとく』
詠めそうで詠めない、一切を詠み込んだ句だと思う。

「出家してから全くひとり。ひとりですよ。
 どうせひとりだと思えば諦められる。
 人をあてにすることもない。
 辛い事、気に入らないこともひとりと思えば諦められる。
 いい事があるとお恵みと思える」

『紅葉燃ゆ旅立つ朝の空や寂』

東京女子大の後輩である俳人の黒田杏子さんの言葉。
「給料貰って餌付けされてる人間に本当の物は書けないよ、と言われました。
 寂聴さんの句は寂聴にしか書けない一句一句が絵巻物である。
 この世に抗って生きてきた人生の絵巻である。
 
 ウツになったけど句集を出して自分を励まそうとした、
 というその考え方がすでにオリジナルである。
 女の人には珍しい無頼の人」

寂聴さんの言葉。
「人生の最後に俳句という素晴らしいおもちゃを頂いた。
 死ぬまでにもう一冊句集を出したい。こんなこと言って
 俳句に人生をかけている人は怒っていると思うけど」

『御山のひとりに深き花の闇』



今年、私は一生続けようと思っていたチェロを弾く事を失った。
その喪失感は筆舌にし難い。
その最中、ひょんな事から句会に誘われ、
全く縁の無かった俳句を付け焼刃で勉強しはじめて詠み始めると、
なぜかとても心が救われていったのだ。

長い文章ではなくたった17音に自分を吐き出す、
ということが心地いい。
こんな世界があったのか、と過去現在の俳人の作品を読んで、
こんな表現があるのか、と驚くことも日々楽しい。

今の私に俳句がそれに代わるものになるかはわからないけれど、
かなり慰められていることは確かだ。
私らしい句を詠んでいきたいと思う。
posted by えるか at 21:24| 芸術 文芸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月21日

聴きました!

テレビ画面の付箋に気付き、(はて、なんじゃらほい?)と思いつつも
なんとか『村上レディオ』聴きました。目出度い!

村上さんの声は全く想像通りだった。あまりの想像通り振りにびっくりした。
とっても聴きよく心地よく懐かしいようなお声。
普段のFMもこんなトーンで喋ってくれれば聴くのになあ。
声が若くてそれにも驚いた。

先日書いた『チャーちゃん』の作者、
保坂和志さんと顔似てませんか?
実は『ネコメンタリー』の番組で保坂さんのお顔を見た時、
(村上春樹に似ている、、)と思っていたのだ。特に目元。
歳も同じころではないだろうか。声も似ているような気がする。
まあご本人たちにはどうでもいいことでしょうが。

ハルキストでもなくノーベル賞にドキドキすることはないけれど、
作品はリアルタイムで読んできたので読者の端くれではある私。

前にも言ったけど再度言う、村上さんと誕生日が一緒です!

posted by えるか at 20:55| テレビ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

村上レディオ

村上春樹がDJとなる『村上レディオ』を前回聴き逃してしまった。
カレンダーに書き、手帳にも記していたのに!
次の日になり気がついた時は呆然とした。

きっと再放送があるに違いない!、、、、
そう自分を慰め待つこと2カ月余、
ついに再放送日と第2回放送日が発表された。

やった今度こそ!
そうカレンダーに印をつけたのに、
再放送をまた聴き逃した。

むむ、、、なにをやっているんだろう。こんなに物忘れが酷いとは、、、
やはり痴呆症が始まっているのかも、、、、。

そんな訳で今日の『第2回村上レディオ』
自分の記憶が全く信用できない私はいいことを思いついた。

人の声が欲しいため一日中テレビを付けている私は、
テレビの画面に大きなピンクの付箋を貼り付けたのだ。
これなら嫌でも画面に目をやるたびに気がつくだろう。

どの場所が一番気がつくか、あちこち貼り直し、
テレビ画面のど真ん中に張り付けた。
今夜こそ!!

『村上レディオ』FMOH!(関西)19:00〜



posted by えるか at 16:03| テレビ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月13日

帰ってきました

ブログもう終わり、、、と宣言したのは2月だったか。
あれから8カ月たちました。
何をしていたか、というとまあ色々とありました。辛かった。

新しいブログを作ったものの結局は3つくらいしか書けなくて頓挫。
「あ、これ書きたい」と思ったことが何回かあったけど、
このブログのリンクがないことには話がとっても長くなる、
ということもあって、戻ってくることにしました。

心配して連絡をくださった方もあり、
どうもありがとうございました。かなり嬉しかったです。

ここでの10年間という思い入れを再度構築する元気が今の私には無くて、
こちらでまたホロホロとやらせてもらおうと思った次第です。

どうぞよろしくお願いします。
posted by えるか at 20:04| 一言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月11日

ネコメンタリー 保坂和志とシロちゃん

8月6日にEテレで放映されたこの番組
『ネコメンタリー 猫も杓子も 保坂和志とシロちゃん』
の録画を私はいつまでも消せないでいた。

作家が愛する飼い猫との暮らしをドキュメンタリーで紹介するこの番組は
それぞれの作家の愛猫との生活を物語形式で作ってある。
どの作家も猫の前では一介の召使いとして仕えているのを見て、
こちらは共感したり安心したりする。

しかしこの保坂和志さんの回を見てどぎもを抜かれたのだった。
シロちゃんは15年もお世話になっておきながら
いまだに触らせてもくれないのだ。
家のまわりで暮らし、ご飯だけ貰いに門柱で鎮座するシロちゃん。

保坂さんは一日も早く家に入って欲しいそうだがその気配は全く無い。
「とにかく距離が縮まんないんだよ〜」
と保坂さんは嬉しそうに語る。
カレンダーにはシロちゃんに与えた餌の回数と内容と事細かく書いてある。
「8時10分にチュールをあげて〜その後成猫用あげて、
9時40分にまたあげて、11時25分に漢方あげて〜」
と保坂さんはご飯の分量を量りながら言う。

川端康成文学賞の受賞式で選考委員を前にして、
「小説は二の次。ずっと猫の世話にあけくれているので」
と言ってしまう人なのだ。

シロちゃんは面構えよろしく白色なのにちょっと汚れてる。
こんな格好よく、しかも恵まれた猫がいるだろうか。
保坂さんは猫なで声よろしく「シロちゃ〜ん」と話しかけるが
シロちゃんはぷいと離れていってしまう。

保坂さんの作品を読んだことがなかったのでどんな人なんだろう、
とエッセイ『猫の散歩道』を読んでみたらなかなか面白そうな人だったので、
『ハレルヤ』を読んだ。
読んでびっくりした。
この人って絵本『チャーちゃん』の作者?!

番組では家猫だった花ちゃんを去年18年8ヶで亡くした保坂さんは、
その時不思議と哀しくなかった。シロちゃんがいたから、というのもあるが、
「死んでない、と思うんだよね。心の中にいるのかもしれないし。
 もしかしたらほんとにいるのかもしれない」

絵本『チャーちゃん』にあんなに感激してブログにまで書いたのに
(こちらです『チャーちゃん』)
お名前を全く逸していた。
チャーちゃんは保坂和志さんの猫だったのだ。
あの絵本でチャーちゃんが亡くなって泣いてばかりいたパパは
保坂さんのことだったのだ。

消せなかったテレビの録画、感銘を受けて買った手持ちの絵本。
この夏出版された小説『ハレルヤ』
思わぬところで3つが繋がったことでちょっと嬉しかったのだった。



posted by えるか at 21:31| テレビ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月09日

10年

このブログを始めて今日で10年たった。

10年も続けてやっていたものなんて数えるほどしかない。
さくさく書いていた初期に比べ、
途中から書いてまで言うことか、とモヤモヤ続きであったけれど、
とにかく10年は目出度い。

この拙ブログに来て下さった皆さま、
ほんとうにありがとうございました。
心からお礼申し上げます。

50歳になった時は、なんだかんだいっても
半世紀生きたということに少しばかり感嘆した。
しかし60歳になって、
全く成長してない自分にあきれるばかりだ。

たぶんもう、このまま歳を取っていくのだろう。
賢くもならず大人にもならず、
いつも同じあやまちを繰り返して、
それでも人生は続くのだ。

始めた頃は、いつか息子が読んでくれたらいい、
と思っていたけど、今となってはもうどうでもいい。
こんな幼稚な母で情けない。

とはいえ、
このブログを持っているという事は心の支えでもあった。
四人家族の主婦から一人暮らしの寡婦で無職になってしまい、
そのうろたえようは筆舌し難いものであったけど、
このブログは心の友のようでもあった。

書く事でふんぎりをつけたり、ここに書けるようになるまで、
そこまで心を収めるのに何ヶ月もかかったり。
まあ書けない事の方が多かったけど、それは誰しも同じだろう。
物事をちょっと違う角度から切ってきたつもり。
普段の私を見せない、けれどどっこいこういう見方もしているぞ、
という方向でやってきたつもりです。

ひとつ失敗したのは、ブログの存在を明かした人たちの中に、
読まれる事が苦痛になってしまった人が出てしまったことです。
とはいえ他の方たちの読んで下さっているというお話には、
どれほどか励まされた事だろう。
ありがとうございました。
もう一つの世界を持っているという事は、なかなかよろしき事でありました。

ここに来て下さった皆さまに心からお礼申し上げます。
アクセスされるということはかなり嬉しいものでした。
ほんとうにありがとうございました。
これでこのブログは一区切りつけたいと思います。
たまには何かを書くかもしれませんが、
ひとまず『ブログを書いている』という荷(?)を下ろそうと思います。

皆さま、どうぞお元気でお過ごしください。
ご多幸をお祈り申し上げます。
ありがとうございました。  (記事総数 1068)←がんばった!

              えるか


posted by えるか at 22:31| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月07日

最近のブーム

マガモの尾羽(尻尾のところの羽根)が
寝ぐせのように上にピンピンとカールしていることです。

野鳥観察ではあまり重要視されないマガモ、、、
「マガモか、、」というようにスズメ扱いです。
時には「マガモも良く見ると綺麗なんですよ」
と先生は教えてくださいますが、
尾羽のことは周知の事なのか触れられたことはありません。

だからこの冬マガモのお尻がピンピンはねているのを見つけた時は
大発見したような気分になり、家の図鑑をあれこれ見ました。
ピンピンはちゃんと写真にもイラストにも載っていましたが
なかには角度のせいか書いてない図鑑もありました。

先生に聞いても「????(それが何か?)」
という感じでどうでもいい感じでしたが、
私の中ではテンションが上がりまくりの事実で、
マガモを見つけると尾羽のカールを見て、ひとり悦にひたっています。

posted by えるか at 23:57| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

今日のショック

厚化粧だと言われました。
posted by えるか at 22:57| 事件 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月05日

池干し

池干しとは池の水を抜いて底泥を乾燥させ、
紫外線や温度変化で殺菌させたり有機物を分解したり、
するものらしい。
農業のかんがい用水に使わない冬期に行う。

最近ではテレビ番組で池の水を抜き
外来魚や捨てられたペットのワニやカメを発見したりしている。
この間行った枚方の山田池は、
テレビ東京の番組で小泉孝太郎さんが来たとか。

それはいいんだけど、せっかく冬になり
渡ってきてくれた鴨の居場所がなくなり、
観察を楽しみにしている私としては(なぜに冬、、、)
と残念無念なのだ。

池の水位がどんどん下がってくると、
鴨たちの密度が濃くなり、
潜水鴨のキンクロハジロなどは
水が浅いので普段は見られない泳いでいる姿が
池のふちから見られたりする。

泳ぎにくいのかバタバタと足を動かし、
白黒なのでペンギンのようだ。
やがてもっと水位が下がって彼らが去ってしまうと、
普段は居ないサギ類がやってくる。
池のへりに下りたって魚を狙っていた。

普段は池に縁のないカラスもやってきて
石をひっくり返して遊んでいるのか餌を探しているのか。
小さいコサギが意外にも気が強く、
カラスの見つけた餌を奪っていた。

カルガモも普段いないのにやってきて池底を歩き回り
泥の上は鴨の足あとだらけで、
それを見るのはなかなか面白いけど。

丘にものぼるヒドリガモは
どこかに飛んで行ったり戻ってきたりしているけど、
餌に困っているように思う。どうしてるんだろ。
北に帰る体力は培えるのだろうか。

見た事もない鴨が来ていた日があったけど、
次いったらいなかった。
(模様を覚えて帰り図鑑で調べたらミコアイサの雌だった
なぜに1羽でいたのだろう)

鳥たちは目がものすごくいいらしいけど、
ちゃんと食べられているのだろうか。
3月になったらまた池の水は入ると思うけど、
そろそろ北へ帰らねばならないだろう。

公園で見かけた地域猫は避妊手術をされた猫だったけど、
とっても小さくて痩せていた。
猫風邪をひいていてウィルスにやられているようだった。
カーちゃんはもういない。(『カーちゃん』)
(『カーちゃんその後』)
無事に冬を越せるといいのだが。

posted by えるか at 00:00| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする